■姉き
久しぶりに姉きに会いました。
おふくろが骨折して入院です。
手術室の前、ベンチシートで二人。
姉「おまえとは、いい時に会わないね」
おたがいさまだっつーの。
私「お母さん、大腿骨、折ったって?大丈夫?」
姉「ん?年寄りはだいたい折るのよ」
そーなのか?!
姉「あれ、しゃれ?だいたい…」
おい!手術中!
っていうか、姉きってこんなキャラじゃなかったろう。
小さい頃は、運動できない、泣き虫だったよなぁ。
姉「文鳥、飼ってたよね、ウチの子も見る?」
私「えっ、飼ってんの?」
姉「何言ってんの、2羽も逃がしたベテランよ!」
逃がしてベテランて
姉「今、白文鳥2羽いるの」
ケータイ画面を見せます。まだ、若そう。
姉「そっちんちのは?」
私「いや、ケータイ初心者だし、逃げて撮れな…」
姉「ほら、手に乗ってかわいいでしょ」
話、聞ーてねぇし。
私「挿し餌から育てたの?」
姉「当り前じゃない」
私、できません…
姉「ウチの娘たちも、挿し餌手伝ってくれたわよ」
そう、姉きは二人も成人させた母です。
手術が無事終え、先生の話も聞きホッとしている私を残し
先生や看護士さんにきちんと質問や挨拶をし、
手続きもシャキシャキする姉き。
でもな、でも、私の中の姉きは、
運動会の前の晩は、一生懸命、雨が降るのを祈ってた子だったし、
元素記号がおぼえられなくて、
夜中までメソメソ泣いて教科書を開いていた女の子なんだよな。
姉「ウチの亭主がシナモン文鳥欲しいって言ってたけど
2羽でいっぱいよ。10羽だっけ?今度見せてね」
と、別れ際に。
ん、今度は、いい時に会えそうです。
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